See You

2021年の暮れに祖母が亡くなった。スタジオでこの曲が出来て、その帰り道に母から「婆ちゃんが亡くなったよ」と電話があった。

地元に帰って葬式に行くと、小さい頃からずっと可愛がってくれた婆ちゃんが、眠ってるみたいな顔で横になっていた。

小さい頃、兄に部屋を追い出されてしまい路頭に迷っていた俺は、婆ちゃんの部屋で一緒にテレビを見て、隣に布団を敷いて眠っていた。婆ちゃんはラジオをつけて寝るから、いつの間にか自分もそうなった。

婆ちゃんがドラマの登場人物に本気でキレてたこととか、好きなラーメン屋に2人で行ったこととか、そんなことどうでもいいようなことばかり鮮明に覚えている。

中学に入った頃に自分の部屋ができて、それからは一緒にテレビを見ることも、ラーメンを食べに行くこともなくなった。

大学に入って1 人暮らしを始めてからは、もう数えるくらいしか会ってなかったけれど、帰るといつもコッソリお金を握らせてくれた。ボケちゃって、1日に3回お金をくれたこともあった。ありがとう。

なんて薄情なんだって自分に思うけれど、婆ちゃんが教えてくれたことは全部覚えていて、忘れたりしない。

燃えて、骨を拾っている時、独特の匂いが鼻をついて、目に染みて、何か泣けた。袖で拭って婆ちゃんに見られないように隠して、帰ってこの歌詞を書いた。

また会える気がするから ”See You” ってことにした。