STELLA
星なんて特別綺麗と思ったことなかったし、今晩は流星群が流れますって聞いても家で寝転がってたほうがいいし、月食だ!日食だ!とかいってても、外に出たことなんて一回もない。
そんな感じでなんで “STELLA” って名前をつけて、星をテーマにEP作ってんだって感じなんだけど、それに関してはほんとそう。そんな自分なのに、年始ぐらいに何気なく見た普通の星空が超綺麗に見えちゃったことが制作のスタートだった。
去年の夏に地元一宮市にレコーディングスタジオが完成した。ほんとありがたいことに幼馴染のエンジニアがスタジオを立ち上げてくれて、そこに全乗っかりしつつ自分の機材もバッチリ入れて、去年からそのスタジオを拠点に素敵なバンドの制作にいくつも関わらせて貰っている。
小学校の頃に一緒に空手を習い、マジで怖すぎる館長に怯えながら押忍!とか言って必死に正拳突きをしてた友達がスタジオを作った、ということについても言及したくなってきたけどそれはまた別の機会に…
そんなこんなで、そう遠くないが故に逆に全然帰らない地元に毎週のように帰るようになった。当たり前だけど変わったものもがあれば、変わらないものもあり、小さな街には所狭しと思い出が乱立している。日々スタジオに通い、実家に帰ったり、スタジオの近所を徘徊したりしながら、なんとなく幼い頃の自分と並走しているかのような不思議な気持ちになったり、そんな毎日だった。
去年の年末から今年の春先までは特に忙しく、数日おきに家とスタジオを行き来していた。空気の籠ったスタジオで10時間くらい過ごして、終わったら外で寒空のもと空気を目一杯に吸い込む。冷たい空気が身体中を駆け回るような気持よさがあって、レコーディングが終わったあとはいつもそうする。
そもそもレコーディングは楽しい。空気とマイクを伝って音が入ってきて、機材をエイや!ってしながら音を上げたり下げたりして、音の点が繋がって、違う音の点と繋がって、それがやがて線になり、音楽になる。始まりの点はさほど変わらないのに、最後に浮かび上がる線は人によって、バンドによって全然違う。そんなことを毎日やれていて日置サイコっちょーって感じだった。
だけど、その分だけ自分自身の制作からも遠のいてしまい、気づけばEASTOKLAB(以下オケラボ)での制作が疎かになっていた節もあった。超楽しいのに、なんか体の一部がつっかえているような感覚。ただ目の前のことに必死だったので、そこには蓋をしつつ日々を過ごしていた。
ある日、いつものようにレコーディングが終わって、外に出た。数日に渡るレコーディングの最終日でハイレベルな達成感に包まれていたと思う。時効は12時も近く、街灯もさほどない真っ暗な片田舎の静かな夜。
そのときに見た普通の星空がやけに綺麗に見えた。それは自分が子供の頃から変わらずそこにあって、変わらず輝いていたはずなのに、自分はそんなことには目もくれず、ずっと機材ばっかり見つめて遊んでいた。
ただただ綺麗な音楽を作りたかった。どこまでも広く透き通っていて、音が高く響いて、でもそれだけじゃない。普通の暮らしのなかにあるような牧歌のような暖かさのある音楽が作りたかった。
普通の星空は普通に綺麗で、とはいえ絶景の!とかじゃないから、電線が伝い、建物が見切れている。そんな普通の街の普通の空。
その時に見たその景色を、自分が歩いてきた道を通してひとつ音楽にしたいなと思ってこのEPの制作を始めた。
あとは頑張った。
オケラボは去年、長く活動を共にしてくれたUK.projectからフルアルバムをリリースして、それからすぐに自分たちだけでミニアルバム "Your Morrow" を作り、今も変わらず活動を続けている。
前身バンドから数えて10年。身の回りのほとんどのことが変わるくらいに長い時間を、このバンドと過ごした。実際、生活も人間関係も考え方も、たぶん全部が変わった。
でも、このバンドだけが自分のなかで変わらず同じ場所にある。
岡と田保くんに至っては10年。オケラボになってパリパリ(西尾)とも7年くらい、変わらないままある。それってすごーって感じだ。
最近はよく、変わらなきゃって思うこともある。バンドとして、もっとワクワクしたいし、もっと自分達にしかできないようなことがしたい。
だから今、すごく変わろうとしている。
このEPは自分にとって、卒業制作みたいなもので、EASTOKLABを続けてきて変わらなかったもの、その意味を全部凝縮したものになっている。これで一区切り。
4人で続けてきたバンドというものが変わらないために、これから変わっていく。
変わりゆく未来に向けて作ったEPでもあり、変わらない過去を見つめて作ったEPでもあり、ひとつの到達点。
来年はびっくりしちゃうくらいアツいフルアルバムを作る!つもり。
思いつくままにひたすら書いたので長くなり過ぎた。曲ごとの制作秘話は短めにしておきます。
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▽ Orion
EASTOKLABではこっそりフザケるが正義なので、今までもサビの裏で急に異常なタッピングをしたり、謎なビートをスムーズな流れで曲に落とし込んだりしていましたが、何かもう全面的にやっちゃお!ということで本気のギターソロをやって、スタジオでゲラゲラ笑った。MVの撮影が楽しくて、珍しく田保くんがイキイキとしておりよかった。
▽ Argo
同じリフを延々とループしながら展開していくのマジでバンドって感じでいいよね!って気持ちで作った。このEPで最初に完成した曲で、上に記したようなエモみが詰まっている。アルゴの神話が好きで書いた。
▽ Mars
いつか火星に人が住めるかもしれないらしい!
▽ Vega
地元に小さなプラネタリウムがあって、幼い頃はよく行っていた。改めて制作中にそこに行った時、子供の頃に見た織姫と彦星の話しを20年近く経った今も上映していて、アチィ〜となり書いた。
▽ Sirius
EPのラストに普通〜の曲を持ってきたかった。自分たちにとっての普通というか、スタンダードというか、息を吸って吐くように、とても簡単に作れてしまう曲みたいな。ある意味これがEASTOKLABの全てなのかも。
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早起きしたので書けた。色々と書き連ねましたが、言いたいことはひとつ、EP "STELLA" ぜひ聴いてみてください。
聴いてくれた人、こんなにありえない膨大な数の音楽のなかから、名もなき星のような僕らの音楽を見つけてくれて、ありがとう。
Your Morrow
新しいEP "STELLA" のリリースに寄せた文章を書き上げて久々にこのブログにログインところ、去年リリースした "Your Morrow" のリリース翌日に書いていたっぽい下書きが発見された。書いたのに何故か投稿していないという体たらくに驚きますが、1年近く越しの投稿をこっそりしておきます。
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昨日、2024年11月20日に新しいミニアルバム "Your Mrrow" をリリースした。思えば今年の頭にフルアルバムをリリースしたところだから、ペースは過去最速。そのうえ過去最高のものかもって思う。※日置調べ
EASTOKLABは今年から、というか前作 "泡のような光たち" を最後に、超〜お世話になりすぎたUK.PROJECT/DAIZAWA RECORDSを離れ、独立して運営をしている。
2019年にデビューしてから早5年...楽しかったこともあり、辛い瞬間もあり、こうして独立したことで何だかやっと一人前のミュージシャンになれたような気もしているし、UKと関わらなかったら絶対に出会えなかった人や場面が死ぬほどある。ものすごい財産。
その前にお世話になっていた(The Skateboard Kids時代)テイチクエンタテインメントを離れて、完全に路頭に迷っていた我々を拾い上げてくれて、ピカピカな経験をたくさんさせてもらった。だから、それに応えられなかった申し訳なさとデカすぎる感謝が半々くらい。
本当に本当にありがとうございました。
前作をリリースしてツアーが終わり、なかなか思うような場所には辿り着けなかった。でもツアーは最高だったし、作品にも誇りがあって、なによりツアーを経て、来てくれた人の目を見て、何も間違ってないんだって思った。このまま前に進めばいいって。
それからは、とりあえず勢いでスタジオを抑えて、レコーディングを始めてみた。特に何も決まっていなかったけれど、出来たばかりの新鮮な曲をその状態で残したいなって思って。
そうして手探りの状態で作ったのがこの "Your Morrow" というアルバムです。
レコーディングは豊橋のwork techと、我らがホームstiffslackと、自宅で。それぞれ機材を持ち込んで全て自分でレコーディングをした。夏の初めぐらいだったので自宅の防音ブースが暑すぎて何度か死にかけた。
なんだかんだで全然楽しいな〜ぐらいの気持ちで毎日少しづつ進めたり放置したりしながら、気付いたら自分が思い描いた音になったり、ならなかったり。
納期のギリギリでマスタリングを始めて、最後の最後でハチャメチャに悩んでしまい、血を吐きそうになりながら納期当日の早朝にマスターをあげたのも今となってはいい思い出だ。
そんな制作の時間も含めた全てが愛おしくて、聴いてもらうということがこんなに嬉しいのは、何だか今までで初めてのような気もする。
アルバムのことを色々書いてみようって思っていたけれど、改めて考えてもそんなに書くことはなくて、ただひとつあるとすれば、もう一度自分のこととか、自分の好きな音楽のこと、自分が作る音楽のこと、4人で鳴らす音のこと、全部信じてみようって思ったってことくらい。
最高だから聴いて!って胸を張って言えるような音楽を作れたらいいなって。
そんなふうにして曲を作っていたら「なんか俺、未来を見ている!」って思って、聴いてくれた人の未来を少しだけでも照らせたらいいなって思って "Your Morrow" = "あなたの明日" ってタイトルをつけた。
ただカッコよくて、圧倒的で、誰にも負けない音楽が作りたいって、昔はそんなことばかりを考えていたけれど、そうじゃなくても自分達にしか鳴らせない音があって、それを大切に思ってくれる人がいるから、今もこうして続けていられるんだなと心から思う。
聴いてくれた人にとって、このアルバムが小さくても大切なものになったなら本当に嬉しい。もちろん自分にとっては心から大切なものであり、EASTOKLABとして走り続けてきた答え自身でもあるような、そんな音がしている。よかったらたくさんたくさん聴いてください。
泡のような光たち RELEASE TOUR

リリースツアーが終わった。自分達の名前を掲げてツアーをするのが久しぶりすぎて始まる前はソワソワしていたし、最高だった昨日の余韻が心に残っていて今もドキドキしている。
思えばアルバムのレコーディングをしたのは去年の夏で、みんな半袖を着ていた。
その頃の自分はたぶん悩んでいて、レコーディングしながら色々なことを考えていた。
音楽のこと、生活のこと、人間関係とか、これからのこととか、きっとみんなと同じような。
アルバムが完成したのは去年の秋で、完成した直後は、それが自分のものなのかイマイチ掴みきれないような不思議な感覚があった。
それからツアーを回って、歌いながら、真剣に聴いてくれている人の目を見て、そこに映る自分を見て、何だかやっとこのアルバムが自分のものになったような気がする。
昨日はVJがあって、ステージに向かってずっとライトが当たっていた。眩しい光のなかで目がチカチカして、閉じたり開けたりしながら歌った。
時々光が反射して、フロアに虹じゃないけど、色が反射したり、光が跳ねていたり。
そのなかに来てくれた人の笑顔があって、真剣にステージを見つめる顔があって、一緒に歌ってくれる声があって、側にはメンバーがいて、何かよく分かんないくらい綺麗で、泣きそうになるのを通り越して超真剣な顔で歌ったと思う。
そしたらアッという間に終わってしまった。
アッという間に終わってしまったから全然物足りなくて、またすぐに歌いたいなって思う。
音楽は楽しい。聴くのも楽しいし、作るのも楽しいし、演奏するのも楽しいし、録音するのも楽しいし、音楽を通して誰かと知り合うのも楽しい。
忘れっぽくて、そんな当たり前のことさえたまに忘れそうになるけれど、このツアーのことはきっと忘れないと思うから、それも忘れない。

家に帰って一息ついて、今日からまた制作を始めている。自分も聴いてくれる人もびっくりするような音が作れそうな気がするから、まだなんにも進んでないけれど、その気持ちだけ持っていればきっと全然大丈夫。
もっともっと最高な音楽を作って、もっともっと沢山の場所に行けるようなツアーをやりたいし、数えきれないくらいワンマンもやりたい。
何を書いてるのか分からなくなってきたけど、ツアーを通して考えたことのまとめみたいな感じでした。俺たちだけじゃ何も出来ないなっての同時に、俺たち次第で何だって出来るんだなって!
本当にありがとうございました!
Photo ミズキくん @sipruixi
Our Place
2023年7月、俺たちの使っているスタジオが今月末で閉まりますという衝撃のニュースが舞い込んだ。
いわゆるプライベートスタジオみたいな感じだったので、EASTOKLABではスタジオに機材を置いたままで割と自由に使わせてもらっていて、エンジニアとしてもそこのスタジオを借りていたので、オーナーからの連絡を見たとき「マジ終わった...」と思った。
とりあえず落ち着ちつけ!ということで一旦コメダにいき、たっぷりアイスコーヒーを注文。色々と今後のことを考えた。
性根がスーパーポジティブなこともあり、数日後にはまぁ何とかなるかぁ!と元気になったのだけれど、スタジオがなくなるということだけは、どうしても寂しくて堪らなかった。
20歳の頃に初めて行って、それから何年も休まず通った場所。しかもEASTOKLABではそのスタジオ以外に入ったことがなくて、今まで全ての曲が産まれた場所でもある。
じゃあ何かやりたいなってことで、最後にスタジオありがとう!の気持ちを込めて、みんなで、その場所に集まってこの曲を書いた。
何だかシンセをちょこちょこ弾くのも違うし気がして、ギターを持ち、初めてスタジオに来た日のこととかを思い出しながら、その時から使ってるオーバードライブを踏んだ。
音像も歌詞も演奏も、いつもとは全然違うかもしれないけれど、俺はあのスタジオが大好きだった分だけ、この曲が大好きだ。
スタジオの最終営業日には岡(Ba)が来る途中に熱中症で倒れてヤバかったけど、復活してスタジオに来たので、この曲だけ最後に演奏した。
あん時の俺ら、まじでアチぃ感じだったと思う。
これで全曲解説は終了。せっかくブログを始めたし、また何か書くつもりでいる。またね!
Echoes
思い入れがあるようで、無いような、いつどうやって作ったかも覚えていないけれど、ずっと昔から耳元で鳴っていたような、そんなイメージで、あまり具体的に書くようなことがない。
思えば、アルバムの選曲をするときも誰が推すでもなくリストに入っていて、特に誰が言うでもなく、当然のようにこの位置にあった。
自分の制作の根源には記憶というものが大きく鎮座していて、音楽を作るときは、記憶や体のなかかから、音や言葉を拾い集めるように引っ張り出して、それを組み合わせていく。
この曲もそんな感じで、短い時間でサクッと作った気がする。
曲について書くことがあまりないので少し脱線するけれど、この曲も含め、今回のアルバムも、過去の作品も、ほぼ全ての曲を “waldorf” というブランドの “blofeld” というシンセで作っている。特にこの曲のシンセは、小さな粒子がシャワーみたいに体を包んでくれるようで、いい音だ。
買ったのは7-8年前で(当時は中古で4万とかだった)、電源コードが切れてスタジオでまあまあデカめの火花が出たり、たまに起動に失敗して意味不明なピッチになったりと、色々なトラブルを起こしつつも、今もそこそこは元気にしてくれている。
何が書きたかったか忘れちゃったけど、waldorfと出会ってなかったら絶対にEASTOKLABの音もなかったので、何も分からず見た目だけで買ったあの頃の自分によくやったと伝えたい。
もう一台買っちゃおうかなとは思っているので、ヤフオクなどに安く出てるの見つけたりした際は教えてください。
そういえばライブでまだ演奏していないけれど、ツアーでは何処かでやるはず!
少なくともワンマンではやると思う。
たぶんライブで演奏する機会はそんなにないから、その瞬間を噛み締めて歌えたらいいな。
うつくしいひと
2021年に書いて、それからライブでもよくやっている大切な曲。というか “See You” と “うつくしいひと” は既に会場限定のカセットテープでリリースしている(今作は再録版)。
アルバムのなかでも一番古い曲で、それこそ前作EP “Ai” に合わせて作っていたから、その時のモードが反映された自然体でフラットなイメージが、今のバンドによく似合っているし、このアルバムにもよく似合っている。
変わらなければ一緒にいられたけれど、人は自然に変わっていくから、一緒にはいられなくなってしまった。自分ではいい方向に変わっていたって、そうなってしまうことがある。
夜が更けていくたび、僕らも老けていく。
欲に耽けるたび、奥に触れていく。
この曲を書いたとき、スタジオの壁に跳ね返って耳に入る自分の書いた言葉が、すごく胸に刺さって、あ〜!ってなったな。
余談ながら、メンバー(誰かは内緒!)が彼女と別れた時、スタジオでちょっとフザけて “うつくしいひと” 歌ったるわ〜〜と演奏したところ、なぜか俺が泣いちゃうというという逸話を持つ。


