20代の終わりが見えてきた。冷静に考えると20代の全てを音楽に費やしすぎていてちょっと引く。冷静に考えないと楽しくて最高。

俺は結果至上主義みたいなところが多分あり、ビジョンが見えないとやってもいないのに「それってほんとにやる意味あんのぉ?」とか言っちゃうかなりイタいところがあった(現在は卒業)。

でも最近、色々と経たこともあり考え方が変わってきたと思う。結果は別として、過程にもちゃんと意味があったんだなって、何かやっと分かった。

ずっと結果が出ないことを間違いだと思っていたし、だからこそ正解を目指して必死に走ってきた。それ以外はあんまりいらなかった。

今のところ、まだ自分の描いていた結果みたいなものには遠く及ばない。でも振り返ってみると、あーこれでよかったなーとか、これがよかったのかも!とか素直に思えたりする。

じゃなかったら今の自分になれていないし、出会えなかった人や瞬間が沢山あって、今はそのどれもが本当に大切だから。

最近、ほんとどうでもない、昔だったら見落としちゃうような小さなことに心が動いたりとかして、大人になったんだなって、マジ遅いんだけど受け入れることが出来るようになったみたいな。

そういう気持ちを込めて自分自身に歌いたかったんだと思う。

去年からライブでもやっているから、やっと音源として届けられて嬉しいし、こうした一つ一つの喜びを大切に、日々の1ページにちゃんと栞を挟んで、これからもっと先まで進んで行けたらいいね。

Lights Out

スタジオでこの曲の原型ができた時「はいキました〜」って思った。ほんとたまにそういう感触がっあって、結構久々だった。

みんなが「そんなにじゃね?」ってなってるなか「ちょ待って!いけるから!任せろ!」とか言って、このアルバムの中でも一番長い時間をかけてアレンジをやっていたと思う。

結果 : いけず

というわけでDawn for Loversとこの曲を荒木さんにブラッシュアップしてもらう運びとなった。

結果 : 最高

今まで4人だけで完結させることが美学の一つになっていたけれど、違う角度からバンドを捉えてもらうことの大切さを教えてもらった。

この曲を機に、考え方やアレンジも変わったと思う。

荒木さん、本当にクソお世話になりましたッ!

歌詞はサビの “仄かな明かりが瞳に触れる / 重ねる季節の儚い蜃気楼” という一文が最初に浮かび、そこを目掛けて書いていった。

人や場所と、出会ったり別れたり、今まで数えきれないくらいのことがあった。

人生のいくつかを共に過ごした人や場所のことは、ふとした瞬間、瞳に浮かび上がるように思い出すことがあるけれど、やっぱり鮮明には覚えてなかったりして、得てして記憶の輪郭は蜃気楼みたいに朧げだ。

思い出した後は電気を消したみたいにまた暗い場所にしまって、でもきっとまたいつか思い出したりするだろうと思う。

そんなことを歌いたかった。

Error

2022年1月、人生最大の体調不良に見舞われた。39.5度の高熱と、かなりイカツめの腹痛。布団とお手洗いを往復するも歩くことさえキツくなり、近所に住むパリパリ(Gt)に買い物などをお願いした。

ゼッテー新型コロナウイルスぢゃん!と思いきや、鳥刺しを食べたことによるカンピロバクター(名前カッコよすぎ)ということが判明。

2.3日たって動けるようにはなってきたものの、延々とYoutubeで岡田を追えだけ見ていたので、そろそろ何か作るか〜とこの曲を書いた。

若干意識が朦朧としていたこともあり、サイケデリックな曲になったところがあるし、制作中にDTMのショートカットをミスりまくって “Errror” と表示されたことが元ネタになっているとかいないとか。

というのは置いておいて、個人的にもとても気に入っていて、バンドとしても今までになかったアプローチやコード感になっている。

歌詞に関しても色々と考えてはみたものの、結局は一番シンプルに思っていることを歌おうって思いながら書いた。20歳くらいからずっと、期待して、焦がれて、でも届かず、掴めず、エラーの連続だったと思うから。

だけど、まだ行けるし、まだ走れるしって。

カンピロバクターになっていなかったらこの曲を書けなかったと思うと、鳥刺しも食べてよかったなと思える。

また行き詰まった時は近所の居酒屋で鳥刺し食べて曲を作ろうと思う。

Dawn for Lovers

何かのドラマか映画で聞いた “Dawn for Lovers”(訳 : 恋人たちの夜明け)って言葉、音の響きがいいなって思ったことをよく覚えている。

それから、久々にDTMでもやるかぁ〜って1人でデモを作った。

遠い昔の、けれどよく覚えている些細なこととか、その時の匂い、窓から溢れる光の形、1人より暖かい温度。

なんかそんな些細なことが、一番美しかったなって思う。

2022年の年始くらいに作ったから、もう2年も経ってしまったけれど、飽き性なわりに作った時と同じように好きでいられている。

それからバンドで何度か合わせて、なんかもっとよくできそう!でも俺たちにはもうこれ以上が分からない!助けて〜!となったところを、荒木さんに入ってもらい、アップデートしてもらった。

初めて荒木さんからアレンジが送られてきた時、stiffslackに向かう電車の中で聴いて感動したな。到着したら岡(Ba)がいて「デモ聴いた?」「聴いた、マジやべぇ」「やべえよな、マジ」みたいな話をした。本当にヤバすぎて、ヤバい以外の語彙をなくしていた。

ちなみにアルバムの曲を選ぶときの恒例行事 “タボ(Dr)の楽曲採点(タボくんが1曲づつに点数をつけて、それを参考に選曲していくこと)” があるのだけれど、この曲がダントツの一位だった。

デモの段階で92.5点を記録する快挙。他の曲はだいぶ厳しめでウケた。

その頃、パリパリ(Gt)はスタジオの外で鉄板に穴開けてエフェクター作ったりしてて、意味わかんないけど楽しかった。

なんか色々書いてたらエモい気持ちになってきてしまった。

昨日公開したMVも超イケなので見てね。

明日からもまた一曲づつ書いていきます。